トップページ > キタンのブログ一覧 > キタン塾ブログ > 馬の激励
何かと人よりも考えすぎる。
どうってことはないように見えて実はジタバタしている。
なんか自分に通ずることが多い。
伊藤整の自伝的小説『若い詩人の肖像』は、
だからおもしろかったのだろうか・・・。
伊藤は多くの詩も残しているが、
なかでもダントツ私が好きな詩。
『馬』。
馬よ いくら首を振らうとも
鈍重な車は離れないのだ。
馬よ さうして俯向いてゐても
もう考える事にも飽いたゞらう。
今朝も泥道は長々と続いて
せなかのこはい毛はさか立ち
馬具は古び 馬車追は貧しい。
もう諦めたことも忘れた頃だが
この泥道をたどる時は
ずつと昔の悲しみが少しは心を刺すらしい。
でも峠を登りつめて
青い朝風が谷から吹き上げると、
おまへは昔の
みやびた足なみを思ひ出してか
坂を下るにも何かたのしさうではないか。
さて、もう少しだけがんばりましょうか。 2012-03-01 谷澤
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