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2011.11.12|私の上に降る雪は

愛するものが死んだ時には、

自殺しなけあなりません。


愛するものが死んだ時には、

それより他に、方法がない。


けれどもそれでも、業が深くて、

なほもながらふことともなつたら、


奉仕の気持に、なることなんです。

奉仕の気持に、なることなんです。


愛するものは、死んだのですから、

たしかにそれは、死んだのですから、



もはやどうにも、ならぬのですから、

そのもののために、そのもののために、


奉仕の気持に、ならなけあならない。

奉仕の気持に、ならなけあならない。


先日ウチの猫たちが、昔むかし、何十年も前の段ボール箱をひっくり返して、

出てきた本がありました。


それはそれは古い本で、一冊の詩集でした。

大学時代、ずっと手元に置いてあって、

寂しくなると、開いていた本でした。


大学4年のころ、高校時代の同級生から、

SOSの電話がありました。


結婚したとばかり思っていたその娘は、

どうしようもない状態にありました。


どうしていいかわからなかった私は、

とりあえず、そこにあった詩集を、コピーして渡しました。


そしたらその娘は、ひどく怒って、

人をなぐさめるのに、この詩はないでしょ。

もっと考えなさい。と言いました。


それが今日の冒頭に出ている詩です。

そのときの詩が、中原中也の詩で、

そのとき怒った智恵子さんは、

今はもういないけれど、


その智恵子さんへの気持ちと、


その詩は、


あまりにも今、ぴったりすぎるので、


なんだか悲しくなりました。


奉仕の気持になりはなつたが、

さて格別の、ことも出来ない。


そこで以前(せん)より、本なら熟読。

そこで以前(せん)より、人には丁寧。


テムポ正しき散歩をなして、

麦稈真田(ばくかんさなだ)を敬虔に編み―


まるでこれでは、玩具(おもちゃ)の兵隊、

まるでこれでは、毎日、日曜。


神社の日向を、ゆるゆる歩み、

知人に逢へば、につこり致し、


飴売爺々(あめうりぢぢい)と、仲よしになり、

鳩に豆なぞ、パラパラ撒いて、


まぶしくなつたら、日陰に這入り、

そこで地面や草木を見直す。


苔はまことに、ひんやりいたし、

いはうやうなき、今日の麗日。


参詣人等もぞろぞろ歩き、

わたしは、なんにも腹が立たない。


≪中略≫


ではみなさん、

喜び過ぎず悲しみ過ぎず、

テムポ正しく、握手をしませう。


つまり、我等に欠けてるものは、

実直なんぞと、心得まして。


ハイ、ではみなさん、ハイ、御一緒に―

テムポ正しく、握手をしませう。


春日狂想「中原中也」より。

光の泉本校校長 松田 一哉

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