網戸があれほどしっかり張れていたにもかかわらず、虫はどこからか侵入しています。
今年の夏も、虫と戦いながらも、がんばります。
夏期講習が始まりました。
夏期講習はやっぱりいい。
生徒が目の前で変わっていく。
その成長を目の当たりにするのは教師の醍醐味です。
時計の分針でもよーく見てると動くのがわかります。あれと同じ。
ただ、私は早起きが苦手なんです。
でも、小学生のころは、夏休みに早起きしてました。
ラジオ体操ではありません、そのまえに虫取りに行くんです。(やっぱり虫ネタ!)
忘れられない昭和のひとコマをご紹介して終わりましょう。
昭和42年8月のある朝、
ヒロシは〇〇じさまのところの大きな楊(やなぎ:枝がしだれない方)の木に登っていました。
じさまは、飼っていた赤犬のタロが死ぬとその皮をはいで背中当てにして着ていると、小学生の間でうわさされる、恐ろしい方でした。
(それが事実に反すること、彼はむしろ優しいことなどがヒロシにわかるまで、それから数年が必要でした。)
どうしてそんなに恐ろしいじさまのところの木に登ったのかといえば…虫取りです。
大きなカブト虫がきっといるだろうと思ったんです。
たぶん、いたんでしょう、でも覚えてません。
朝の農作業を終えたじさまがやってきたんです。
まずい!
じさまは近づいてきます。
早朝の冷涼な空気、
息もできない緊張感、
見つかる、見つかる…
見つかったら皮を…
ヒロシは地上ほぼ6メートル、
至近距離で通過するハゲ頭…
…見つかりませんでした。
何を捕まえたのか、どうやって木からおりたのか、そのあとラジオ体操にいったのか、なにも覚えていません。
ただ、あの緊張感と真上から見たじさまの頭だけが、ヒロシの昭和42年夏のアルバムには残されています。