2週続けて申し訳ないのですが、先週と同じ方式で。今日は、HIKARI NEWS №15より。
新しい仲間が、3月、4月に入塾し、あれよあれよという間に1学期が終わりました。いよいよ、待ちに待った夏休みです。今までいた仲間も、新しく入った仲間も、もう同じ土俵で、日々の勉強、学校生活、塾での生活に頑張っていることと思います。すべての生徒が順調に、仲間意識をしっかり持って、できる子もできない子も仲良く勉強にいそしむ。できれば、そんな塾であることを願っているのですが、塾に慣れてきたこの時期は、毎年のように、何がしか問題が発生します。 |
昨年のHIKARI NEWSでは、「いじめ」のことについて書いていた気がします。この時期はやはり問題が多いのかなあ。
光の泉は、テストが非常に多い。当然そこには、「カンニング」をする生徒がいる…という問題がともなってきます。実は光の泉では、「カンニングしてもよい」という、一見不思議な伝統があります。これは冗談でもなんでもありません。「テストをする」ということは、「その時点での自分の力を正確に知る」ために行います。それをカンニングして一時的に成績が上がっても、本人のためになるわけがありません。自分のためにならないことを「あえて」やるのだから、自分が損するだけ。やるなら勝手にやったら……そんな感じです。 |
カンニングというと、いろいろな手口があって、単純に人のを見るだけのものから、この前の事件のように、インターネットを利用したものまであり、どこまでが「cunning(ぬすみ見ること)」なのか、わからなくなってきています。国語辞典では、「カンニング(テスト中に行われる不正行為)」のことになっていました。光の泉だと、いちばん心配するのが「事務室」の管理です。あまりにテストの種類と量が多いため、テストを無造作に置きっぱなしにすることもよくあります。しかも、授業中は事務室にスタッフはいない。疑いたくはありませんが、やはり万が一のことがあるといけないので、これからテストの管理は徹底しよう、とスタッフどうしで話し合いました。
カンニングをした生徒は、そのままこれからもカンニングをし続け、本番の入試でも、カンニングで乗り切るつもりなのでしょうか。自分の実力にオブラートをかけ、ずっと自分の力を知らずにこのまま生きていくつもりなのでしょうか。昨年度は大学入試でも、こうした事件があり、大問題になったことがありました。これからこの人は、この世の中で生きていくのは大変だろうなあ。他人事ながら、心配していました、 |
実は私も告白すると、大学時代にそんな経験があります。試験時間中、右の後ろの席から視線を感じたのですが、その席は数学科でもとびきりの美人が2人すわっていたので、「まあいいか。うまくやれよ」とそのままにしておいたのですが、そのとき運悪く、私は答案を1か所だけまちがえていて、それが試験会場中にまわったらしく、1か所だけまちがえた答案が12枚もできてしまいました。当然追試。停学にならなかったのでほっとしました。ドキドキしました。
だから私は、カンニングについてはあまり強く言えないのです。
プレッシャーを感じている…そんな生徒は光の泉に確かに多い。お父さん、お母さんが有名大学を出ていることもふつうにあります。兄弟姉妹に頭のいい子がいたり、親戚の子が光の泉に通っていたり…プレッシャーの原因はいろいろありそうです。何かのきっかけで、成績が思うように伸びなくなり、あがいても、あがいてもはい上がれない。もともと光の泉の生徒には、まじめな生徒が多いので、いったんレベルダウンすると、その位置に戻ることは非常に大変です。そんな中、ちょっとした気の迷いがあった…同情する部分も、ほんの少しだけありそう…いやいや、それでもやはりダメです。 |
この時期、光の泉のような特徴のある塾では、成績が落ち込み、どうしようもない位置まで下がってしまう生徒が出てきます。カンニングの問題を除いたとしても、こうした成績不振になった人をどうするかという問題があります。光の泉では、なんとかこの子たちに立ち直ってもらいたいと考えていますが、なかなか「本人のやる気」「保護者の方の期待」「スタッフのサポート」がかみあわず、退塾に至ってしまうケースも出ます。 |
実はこちらも非常に心配です。その子にこそ、夏期講習に来てほしいのですが、そういう子に限って、「自分でやります」と言います。う~ん、今までどんどん落ち込んできていて、自分だけの力でどうなるレベルではないと思うのだがなあ。ちょっと心を入れ替えたくらいでは、もどるような成績ではないのだがなあ。今からでも遅くない。夏期講習の参加を考えてくれないかなあ。このままだとまた救ってあげられないケースになりそうだ。
夏休みは、こうしたさまざまな問題を、一気に解決できる期間です。朝から自由な過ごし方ができるこの1か月。もし、君さえその気になってくれたら、夏期講習で一気に伸びることができます。「君さえやる気になってくれたら」という部分がネックになりますが。 |
まあ、とりあえず来週から夏期講習がはじまるので、まずは、手の届く生徒から治療をはじめましょう。そんな気持ちです。
岐阜高校に合格する。光の泉に通っている意味を、もう一度考えてみてください。何のためにこの塾に入ったのか、もう一度考えてみてください。いろいろな嫌なこと、不安なことを吹き飛ばすくらい、この夏休み、がんばって勉強してみませんか。 |
光の泉本校校長 松田一哉