むかしむかし、若くて男前の王子がいました。
しかし、ふとしたことで魔女の怒りをかい、王子は呪いをかけられてしまいます。
その呪いとは、1年に1文字しか話せないというものでした。
もし1文字も話さない年があれば、翌年2文字話せます。
手紙や身振りも許されなかったので、相手に意志を伝えようと思ったら、
何年もかけて文字数をためるしかありません。
ある日、王子は散歩の途中でとても美しい姫に出会いました。
金色の髪、ルビー色のくちびる、サファイア色の瞳。
王子は一目で恋に落ちました。
本当はすぐにでも『アイシテル』と言いたかったのですが、
5文字しゃべるために、その後の5年間ひとこともしゃべらず待ちました。
でも5年たつと『ケッコンシテ』も言わなくてはと思い、更に5年待ちました。
そうして初めての出会いから10年後、やっと王子はプロポーズ!
「愛してる。結婚して」
王子の言葉に、姫は金色の髪をかき上げ、サファイア色の瞳で王子をみつめ、
ルビー色のくちびるを開いて答えました。
「え?なに?」 (;一_一)2012/05/10 (-。-)y-゜゜゜谷澤